クライアントの声

庭のあるカフェ「ニシアンカフェ」

オープンにあたって、庭だけでなく店舗の内装からデザインの提案をした当社にとって思い出深いカフェです。今ではInstagramなどで庭やカフェを写真を撮りながら楽しまれるお客様も多いそう。エントランスの白い薔薇とアーチは「第一回薔薇とガーデンニングショー」で使ったもの。20年の時を経て今もなお大切に育てて頂いています。


ご依頼のきっかけ

カフェをオープンするにあたり、当初は自分でカフェと一体感がある庭をつくろうとガーデニング教室に通ったのですが、いざ考え始めると難しくて。悩みに悩んだ末、教室の講師だった正木さんにお願いすることに決めました。今考えるとそれがカフェのターニングポイントですね。本当に素敵な庭が出来上がったのですから。カフェがオープンして20年になりますが、店のスイーツをつくっている娘とあの時に正木さんに依頼して本当によかったね、という話をするんですよ。

理想とするお庭の提案して頂きました

提案して頂くにあたり、何度も何度も現地調査に来て頂き、私たちの理想やライフスタイルについて正木さんと沢山話しをしました。そういったことを経て庭のイメージが描かれた提案を受けたときは「あ!これだ!」と思いましたね。何も直す所がないような、私たちが描いていたそのままの庭だったのです。

施工会社さんとの協働

内装は何人かのコーディネーターさんに提案して頂いたのですが、なかなか自分たちの色をだせるようなものがなくて困っていました。それで正木さんに相談してみたら、イメージをつくってみましょうか、ということになって。提案して頂いたものが私たちの好みにしっくりあったのです。結局、庭の外と中含めて全体のイメージや壁の素材、床の質感、色選びまで正木さんのご提案で進めることにしました。最終的に良いコーディネーターさんにも出会え、正木さんとコーディネーターさんが感覚を共有して素敵なものに仕上げて頂いたことも依頼主として、とても嬉しかったですね。

思いをカタチにする

[正木]私はご依頼を受けるとイメージシートというものに、そのご家族の思い出や趣味・趣向などを書き出してもらい、できるだけ沢山会話をするようにしています。そこで頂いた言葉やその背後にある想いを、イメージに描き出すのが私の仕事。ニシアンさんのお庭は、私が一から考えだしたのではなくニシアンさんの頭の中にあったものですよ。

[正木]今も印象に残るニシアンさんのキーワードは、フェミニンさ/改修前の庭にあった石灯ろうや彫刻/インテリアで使うレトロな照明やサイドボード/ 70年代のモダンな椅子とカフェのロゴ、ですね。実は、これらのキーワードにはとても悩まされたのです。デコラティブな”レトロ”なもの、その一方でデコラティブを排除した”モダン”なもの。この両極端なキーワードをひとつの空間の中でどう取りまとめようかと。当時は同じスタイルのカフェがなかったので参考になる情報がなくて。ところが、自分でスタディするうちにわかったことがありました。冷たい印象のモダンなものをナチュラル素材で包むと無機質感が薄れ、そこに人間くささというか、温かさが生まれるのです。この組み合わせを使えば、手作りのレトロな家具の温かみともうまく調和できる。結果、インテリアのご提案として、モダンな椅子とレトロな家具を繋ぐものとして無垢の木の床を、壁には自然の素材から出来た珪藻土をつかいましょう、というお話をさせてもらいました。お陰さまで今でもバランスよく、それぞれがまとまった感じがありますね。

庭に物語をつくる

[正木]庭は、私の得意とする雑木林のスタイルで、使う樹木には可愛らしい花がなるものを選びました。そして改修前の庭にあった彫刻や灯ろうを使う予定だったのですが、普通に置くだけでは少しもの足りない。そこで、もともとのお庭を改修されるニシアンさんならではの物語をつくりたいと考えました。「ここに昔庭があって、一度無くなったけれども、同じ場所に新しい庭ができあがった」というシンプルな物語です。この物語は「倒し灯ろう」といわれる昔の日本庭園で使われた手法で表現することにしました。昔の庭師は、日本庭園をとり壊して新しくつくる時、そこにかつて灯ろうがあったことを目印として、わざと灯ろうを倒して置いていたのです。
それを今に再現することで、ここにも”レトロ”さ(石灯ろう)、”モダン”さ(新しい樹木)を混在させてみました。

お客様に喜んでもらうと、手入れも楽しみに

時間と体力が追いついていかないので、庭にはできるだけ手間のかからない植物を植えてもらいました。おかげさまで草抜きはほとんどしていないですね。お客さまにはお庭を見ながらカフェでくつろいで頂きたいので、きれいに樹木をカットしたり、花を植え替えていますが、娘と一緒に草花を選びに行くのも、植えるのも楽しみの一つです。エントランスから入ってこられたお客さまが「わ、すてきね!」と言って下さるのが嬉しいですから、それに答えたいという思いで続けられるのだと思います。

メニューが変わらなくても、お庭が変わってくれる

庭には紅梅、しだれ桜、桃、姫リンゴ、バラなど、樹の花が多く、春はとってもきれいなんですよ。梅雨にはアジサイも咲きます。夏はお花はありませんが、葉っぱがひさしになって涼しい陰をつくってくれたり、道路のアスファルトからの熱を遮ってくれます。そして秋。ヤマボウシやカエデなど、葉っぱがきれいに紅葉する樹木も植えて頂いたので、赤や橙、黄色といった鮮やかな色を楽しめるのです。
お庭のあるカフェのもう一つ素晴らしいところは、カフェのメニューが変わらないときでもお庭は自然に変わってくれるところですね。それぞれの季節を楽しみに来られるお客さまもいらっしゃいますよ。


▽この庭の実績ページ


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